年末調整
2024.12.23
初めての年末調整はfreee人事労務にお任せ ペーパーレス化で効率よく進めよう
はじめに
年末が近づくにつれ、多くの中小企業の経営者や人事労務担当者の皆様は、年末調整という重要な業務に直面することになります。特に、初めて年末調整を担当する方々にとっては、「年末調整って具体的に何をすればいいの?」「複雑な計算や手続きを間違えずにできるだろうか」といった不安や疑問が頭をよぎることでしょう。
本記事では、そのような不安を抱える方々に向けて、クラウド人事労務ソフト「freee人事労務」を活用した、初めての年末調整の実施方法をわかりやすくご説明します。特に、従業員10名以下の小規模企業を対象に、年末調整の基礎知識から具体的な実施手順、さらに社会保険労務士からのアドバイスまでを網羅的にお伝えします。
年末調整の基礎知識
年末調整とは?
年末調整は、給与所得者の1年間の所得税を正確に精算するための手続きです。具体的には、1月から12月までの間に給与から天引きされた所得税(源泉徴収税)の合計額と、その年の総所得や各種控除を考慮して計算した年間の納税額との差額を調整します。
毎年12月の給与支払い時に行われるのが一般的で、多くの場合、最終的な精算は12月の給与で行われます。つまり、過不足があれば12月の給与で調整されることになります。
正社員・パート・アルバイトなど、給与所得のある人全員が対象になります。
なぜ年末調整が必要なのか?
- 毎月の源泉徴収は概算での徴収
毎月の給与から天引きされる所得税(源泉徴収税)は、その月の給与額のみを基に計算された概算の税額です。しかし、実際の税額は年間の総所得や各種控除を考慮して計算する必要があります。年末調整は、この概算と実際の税額の差を調整する重要な機会となります。
- 年間を通じての収入変動の反映
多くの従業員の収入は、年間を通じて変動します。昇給、降給、転職、休職、あるいは賞与の支給など、さまざまな要因で年収が変化する可能性があります。年末調整では、これらの変動を全て考慮した上で、適切な税額を算出し、過不足を調整します。
- 生命保険料や住宅ローンなどの控除を受けるため
生命保険料控除、地震保険料控除、住宅ローン控除、医療費控除などの各種控除は、年末調整の際に申告することで初めて適用されます。これらの控除は、個人が確定申告をしない限り、年末調整でしか受けられません。控除を適用することで、従業員の税負担を適切に軽減することができます。
年末調整に必要な書類
- 扶養控除等申告書
従業員の扶養家族の情報や、配偶者控除、基礎控除に関する情報を記載する書類です。この申告書に基づいて、各種控除が適用されます。
- 保険料控除申告書
生命保険料、地震保険料などの控除を受けるための申告書です。保険会社から発行される控除証明書の内容を転記します。
- 配偶者控除等申告書
配偶者控除や配偶者特別控除を受ける場合に必要な申告書です。配偶者の収入状況などを記載します。
- 各種証明書
生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、住宅ローン控除証明書などが該当します。これらは各保険会社や金融機関から発行されるもので、控除額の計算に必要となります。
- POINT
- これらの書類を正確に作成し、提出することが欠かせません。しかし、書類をそろえたり、保管したり、送付したり・・・と手間がかかります。そこでfreee人事労務の出番。これらの書類をデジタル化し、ペーパーレスで管理することで、不足や紛失のリスクを軽減することができます。
年末調整の流れ
freee人事労務を使用した年末調整の流れは、大きく3つのステップに分かれます。それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
Step1:準備期間freee人事労務の初期設定
①アカウント作成
まずは、freee人事労務のアカウントを作成します。公式サイトから無料トライアルに申し込み、必要な情報を入力してアカウントを作成しましょう。
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②従業員情報の登録
従業員の基本情報(氏名、住所、生年月日、入社日など)を登録します。これらの情報は年末調整の計算に使用されるため、正確に入力することが重要です。
③給与データの確認
既に給与計算をfreee人事労務で行っている場合は、1月から最新月までの給与データが正しく反映されているか確認します。給与データは年末調整の計算の基礎となるため、誤りがないか十分にチェックしましょう。
④従業員への案内準備
・必要書類の説明資料作成
従業員に提出を求める書類(保険料控除証明書など)や、freee人事労務での入力方法について説明する資料を作成します。わかりやすい説明と具体的な例を含めることで、従業員の理解を促進し、スムーズな提出につながります。
・提出期限の設定
書類の提出期限を設定します。一般的には11月中旬から下旬に設定することが多いですが、企業の状況に応じて適切な期限を決定しましょう。
・入力方法の手順書作成
freee人事労務での情報入力方法について、詳細な手順書を作成します。スクリーンショットを活用し、視覚的にわかりやすい資料を作成することをおすすめします。
Step2:書類収集期間
①freee人事労務での通知メールを送信する
freee人事労務の機能を使って、従業員に年末調整の案内メールを一括送信します。メールには、入力期限や必要書類の情報、入力方法の説明へのリンクなどを含めます。
②従業員の入力作業
(※以下ご参考:従業員のやること)
1.スマートフォンやPCからの情報入力
従業員は、freee人事労務にログインし、必要な情報を入力します。スマートフォンアプリを使用すれば、いつでもどこでも手軽に入力できます。
2.証明書類の写真アップロード
保険料控除証明書などの書類は、スマートフォンで撮影してそのままアップロードすることができます。これにより、紙の書類をスキャンする手間が省け、作業効率が大幅に向上します。
3.各種控除情報の登録
扶養控除、保険料控除、住宅ローン控除など、各種控除に関する情報を登録します。freee人事労務では、入力された情報に基づいて自動的に控除額が計算されるため、従業員の負担が軽減されます。
- POINT
-
システムによるガイダンス
freee人事労務は、年末調整の各ステップでわかりやすいガイダンスを提供します。画面の指示に従って操作するだけで、複雑な手続きも迷わず進められます。
手作業による計算ミスの防止
システムによる自動計算により、手作業での計算ミスを完全に防ぐことができます。これは特に、複雑な控除の計算や、大量の従業員データを扱う際に大きな利点となります。
Step3:確認・計算期間
①提出データの確認
・入力内容の確認
従業員が入力した情報に不備や矛盾がないかチェックします。
・証明書類との照合
アップロードされた証明書類の画像と、入力された情報が一致しているか確認します。
- POINT
-
データの一元管理
アップロードされた証明書の画像データは法律により原則7年間保管する必要がります。freee人事労務では、全ての情報がクラウド上で一元管理されるため、書類の紛失や散逸のリスクがありません。また、必要な時にすぐに情報を参照できるので、効率的に作業を進めることができます。
書類の電子化による省スペース
紙の書類をデジタル化することで、保管スペースを大幅に削減できます。また、書類をすぐに検索・閲覧できるため、業務効率も向上します。
②不備がある場合の再提出依頼
不備や矛盾が見つかった場合は、システムを通じて該当の従業員に再提出を依頼します。
③システムでの自動計算
全ての情報が揃ったら、freee人事労務の自動計算機能を使って年末調整を行います。システムが各種控除を考慮しながら、精緻な計算を瞬時に行います。
- POINT
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計算の自動化
年末調整の複雑な計算をシステムが自動で行います。これにより、計算ミスのリスクを排除し、正確な結果を得ることができます。
④結果の確認
計算結果を確認し、明らかな誤りがないかチェックします。特に、前年と大きく異なる結果が出ている従業員については、詳細に確認することをおすすめします。
⑤給与への反映
最終的な年末調整の結果を12月の給与計算に反映させます。freee人事労務では、この作業も自動的に行われるため、手作業による転記ミスを防ぐことができます。
社労士からのアドバイス
入力状況の定期確認
freee人事労務のダッシュボードを活用して、従業員の入力状況を定期的に確認しましょう。進捗が遅れている従業員には、個別にフォローアップすることで、全体的な作業の遅延を防ぐことができます。
チェックリストの活用
・準備段階での確認項目
年末調整の準備段階で確認すべき項目(従業員情報の更新、必要書類の準備、スケジュールの設定など)をリスト化し、漏れがないかチェックしましょう。
・提出書類の確認項目
従業員から提出された書類や入力された情報をチェックする際の確認項目(記入漏れ、証明書との整合性、前年との大きな変化など)をリスト化し、効率的に確認作業を進めましょう。
・計算結果の確認項目
年末調整の計算結果を確認する際のチェックポイント(前年との比較、高額な還付や徴収が発生していないかなど)をリスト化し、誤りを見逃さないようにしましょう。
トラブル防止のポイント
・証明書原本の保管方法
アップロードされた証明書の画像データだけでなく、紙の原本も適切に保管しましょう。法定保存期間は原則7年間です。紛失や劣化を防ぐため、専用のファイルに整理して保管することをおすすめします。
・システムエラー時の対応手順
万が一、freee人事労務にアクセスできないなどのシステムトラブルが発生した場合には、チャットやメール、電話サービスのほか、ヘルプセンターを活用しましょう。
まとめ
ここまでfreee人事労務を使用した年末調整のペーパーレス化についてご紹介しました。
初めての年末調整は、確かに不安が大きいものです。しかし、freee人事労務を活用することで、多くの作業を自動化・効率化でき、それらの不安を大きく軽減することができます。特に小規模企業では、限られた人員で確実に業務を遂行することが重要です。freee人事労務のようなシステムを活用することで、人事労務担当者の負担を軽減しつつ、正確な年末調整を実施することが可能になります。
システムの導入当初は、新しい操作方法に戸惑うこともあるかもしれません。しかし、一度導入してしまえば、次年度からはさらにスムーズな運用が可能になります。また、年間を通じて給与計算や社会保険手続きなどにも活用できるため、長期的に見れば業務効率の大幅な向上につながります。
ぜひこの機会に、ペーパーレスでの年末調整を導入してみませんか?不安な点や疑問点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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