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SF映画が現実に?月への移住計画 宇宙で働くメリット・デメリットも解説

  • 「月や火星への移住計画」、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

    近い将来、私たち民間人が月に住むために国際的なプロジェクトが動き出しています。仮に、月でも地球と同じような生活を送るとすると、1日のほとんどの時間を費やす「仕事」はどうなってしまうのでしょうか。

     

    この記事では、様々な文献やデータをもとに月の環境を調べ、月面での働き方を予想します!

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  • 目次

    2026年には移住開始?なぜ月に移住するのか

  • 「そもそも移住する必要があるの?」

    と疑問に思うかもしれません。しかし、地球の環境は刻一刻と変化しており。人間が住むことができなくなる可能性が高くなっています。

     

    東邦大学などの研究チームが2021年に発表した論文によると、地球上に豊富な酸素がある状態が続くのは、残り10億年ということです。

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    「やっぱり、自分の生きている間は、関係のない話」

    と思った皆さん、ここで読み終えるのはまだ早い・・・!小惑星の衝突により、一瞬にして今の生活が失われる危険を知っているでしょうか?

     

    約6600万年前、直径約10キロメートルの小惑星が衝突し、恐竜を含む生物種の4分の3が絶滅しました。この話はどこかで聞いたことのある方も多いでしょう。

     

    同じくらいの大きさの小惑星の衝突は、数千万年~約1億年に1度の頻度で起きるとされています。つまり、小惑星がいつ衝突してもおかしくないのです。

    参考:日本経済新聞 2023129

     

    こうした危機感を背景に、専門機関による月への移住計画が着々と進んでいます。

     

    最も有名なものは、アメリカを中心とした国際プロジェクト「アルテミス計画」です。2026年に月面に宇宙飛行士を送り込むことを予定しています。月に基地を作って中継地とし、将来的には火星への有人飛行を目指します。

    参考:日本経済新聞 2024114日朝刊

     

    「じゃあ、月でどうやって生活していくの?」

    研究途上で、分からないことも多い月の世界。「月で働く」というSF映画みたいな話を、社労士事務所がマジメに解説します!

月で働くメリット

月や火星の環境を、地球と同じように変える取り組みを「テラフォーミング」といいます。

 

月の環境はとても厳しいものです。太陽の光が当たっているところでは地表温度が120℃、それ以外はマイナス170℃にも達します。そして、宇宙からの放射線を防ぐ大気などがないため、月面には身体に影響を与える程度の強い放射線がふりそそぎます。

 

過酷な環境で人間が地球と同じような空間で暮らすためには、厚さ数メートルの壁や断熱性の高い素材で覆われ、人工照明を使った施設が必要です。

 

ここからは「酸素など生きる上で最低限の設備が整った月面基地が建てられ、その内部で働く」という前提の上で解説します。

 

ホワイトなJAXAの労働制度

現在、宇宙で働く人たちはどのような働き方をしているのでしょうか。国立研究機関と「宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)」所属の、宇宙飛行士のスケジュールをみてみましょう。

 

JAXAによると、地球を一周約 90 分で周回する 「国際宇宙ステーション(以下、ISS)」 では、地上と同じ 24 時間単位でスケジ ュールが設定されています。 ISS で使用する時刻は、グリニッジ標準時(以下、GMT)を用います。

 

「JAXA 星出宇宙飛行士 ISS 長期滞在ミッション プレスキット」(2021年発行)をもとに作成

地球とは異なる環境で、体への負担を減らすために実働時間6時間、睡眠8時間半というスケジュールが設定されています。土日は休みですが、清掃作業や無重力状態での筋力維持エクササイズといった生命維持に必要な活動はほぼ毎日実施されます。祝日は、世界各国の祝日の中から個人で設定(自国の祝日に限らない、半年間に4日)するそうです。

 

地上で働くより、規則正しい生活を送ることになりそうですね!

 

 

進化する「宇宙ランチ」

職場でのひそかな楽しみといえば、ランチではないでしょうか。宇宙食の研究もどんどん進んでいます。

 

現在はなんと「うなぎの蒲焼」や「ひじきの煮物」「柿の種」といった私たちになじみの深い和食までも、レトルト食品となって宇宙に運ばれています。

出典:JAXA認証「スペースうなぎ(うなぎの蒲焼)」

 

JAXAにより認証された日本宇宙食一覧はこちら

さらに、生鮮食品の輸送・保管も。補給機「コウノトリ」で青森県産リンゴや宮城県産パプリカなどをISSに輸送しています。

出典:JAXAホームページ「日本の生鮮食品」

 

近年では、宇宙に無数に漂う小惑星を「肥料」として使い「農場」を作る研究もあります。

参考:日本経済新聞 2024114日朝刊

近い将来、地球での生活と同じように自給自足の生活が実現するかもしれません。

 

月で働くデメリット

昼夜が2週間交代

月では昼と夜が2週間おきにやってきます。「一定期間、ずっと昼または夜」という現象は、実は地球上でも起こります。

 

地球と太陽との位置関係の影響で、例えば、北極圏に近いアイスランドでは5~7月に太陽が沈まない「白夜」になります。白夜の間、人々は就寝時には遮光カーテンやアイマスクを使い、体内時計を正確に保つそうです。(反対に、冬には日照時間が少なくなる「極夜」になります)

 

時間感覚がなくなるため、地球以上に勤怠管理が重要になります。

参考:「アイスランドの白夜について」Guide To Iceland

         「家と暮らしのお役立ちコラム 第7回 長い、極夜(きょくや)の過ごし方」北洲ハウジング

「新しい労災」の可能性

体だけでなく、月での暮らしはメンタルへの影響も心配されています。宇宙船や月面基地に滞在する場合、狭い空間で長時間過ごすことになります。火星飛行を想定した模擬実験「マーズ500」では、2010~11年、ロシアで6人のクルーが520日間にわたり閉鎖空間で過ごしました。その結果、体内時計が乱れ、不眠の症状が現れたのです。こうした事態に対応するため、企業は新しい労災や保障を設置する必要があります。

参考:日経産業新聞2022年12月2日

 

通勤途中には、地球上では考えられないリスクも。それは「隕石の落下」です。月では大気がありません。そのため、落下物に対する空気抵抗がなくなり、たとえ弾丸より小さな粒だとしても、弾丸よりも大きな破壊力を持って月面に到達します。しかも、大気がいないと発光しないため、危険に気が付かないことがあります。

参考:佐伯和人著 「月はすごい 資源・開発・移住」(2019年、中公新書)

 

「労災」の理由として「隕石による負傷」を含めるなど、制度の見直しが必要になります。

 

まとめ

ここまで、月の労働環境、働き方について解説しました。ありえないのような「宇宙の職場」ですが、企業に求められることは「従業員の心身の健康に注意しながら、労働時間や保障制度を管理すること」であり、地上と変わりません。

 

日々、研究が進んでいる移住計画。いつか実現することを夢見て、まずは地上の労務管理を整えましょう!!

 

スポット社労士くんでは、地上での労務管理のご相談を承っております。下記までお気軽にお問い合わせください。

 

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