社員の事
2024.04.11
仕事中に怪我や病気をしたらどうなる?知っておくべき労働災害の基本
「従業員が出張先で病気になってしまった…」
「アルバイトの学生にも、怪我の治療費を支払うべき?」
仕事中の怪我や病気は原則として職場の責任とされ、従業員の治療費は企業が支払うことになります。
しかし、診察費や入院費などは高額になること多く、企業が急に大金を用意するのは難しいですよね……。
そこで、「労災保険」に加入して日頃から国に保険料を納めることで、上記のような万が一の事態が発生した時、労働者は治療費や働けない期間の生活費について補償を受けることができます。
本記事では「申請手続き」といった「知っておくべき労働災害の基本」を解説いたします。
労災(労働災害)とは?
「労働災害」とは、業務中または通勤中に発生した怪我や病気のことです。
従業員の万が一に備えるため、原則として1人以上の労働者を使用する事業所はすべて労災保険に加入しなければなりません。
労災認定される条件
前提として、使用者と労働者との間に雇用関係があることが必要です。
業務委託等、雇用関係がない場合には対象になりません。
対象外の者は「自己都合による怪我や病気」とされ、健康保険給付の対象になります。
業務災害:仕事中の業務が原因となった怪我や病気
業務災害とは、仕事中の業務が原因となった怪我や病気のことを指します。
具体例は以下の通りです。
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労働時間(残業時間も含める)に社内で起きた災害
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始業前、休憩中、始業後に会社の設備が原因で発生した災害
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出張や社用の外出で、業務中に起きた災害
通勤災害:通勤中に発生した怪我や病気
通勤災害とは、通勤中に発生した怪我や病気のことを指します。
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家と会社との往復中に起きた災害
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仕事場と別の仕事場との往復中に起きた災害
ただし、通勤中に緊急ではない理由で寄り道をした場合には、元の経路に戻るまでに発生した災害は対象外になります。
例えば、「通勤途中で気分転換のために電車を降りてカフェに入り、そこで転倒した」場合は対象外です。
ちょっとした怪我でも労災となるのか?
ささいな怪我でも仕事中に発生したものであれば、労災認定になります。具体例を紹介します。
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仕事中にカッターで指を切ってしまった
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通勤中に転んでしまい、念のため病院に行った
なお、上記のような場合には、従業員の通院費や診療費は健康保険証ではなく、労災の給付金を利用して支払うことになります。
パート・アルバイトも対象者になる
労働者は正社員・パート・アルバイトといった身分に関係なく、すべての労働者に適用されます。
労災保険給付の種類と支給額
ここでは、労災給付の種類と支給額についてご紹介します。
療養補償給付
療養補償給付とは、労災認定された場合に原則無料で治療を受けることができる制度です。
休業補償給付
休業補償給付とは、従業員が療養のために労働できない場合でも原則として収入の80%の賃金が支給される制度です。
4日以上休業する場合、休業期間中はずっと支給されます。
障害補償給付
障害補償給付は、労災により一定の障害が残存した場合に障害等級(1~18級)に応じて支給されます。
認定を受けている限り、ずっと支給されます。
遺族補償給付
遺族補償給付は労災によって労働者が死亡したときに、その遺族の請求に基づいて支給されます。
※本記事は大まかな支給額を提示しております。詳細な金額は従業員の収入や怪我・病気の重さによって異なるためお答えいたしかねます。
労働災害が発生したら
企業が労災申請の手続きを行う場合
業務災害が発生した場合、企業は「労働者死傷病報告」を労働基準監督署に提出する義務があります。(通勤災害は義務なし)
① 厚生労働省のホームページから労災給付の請求書をダウンロード
② 必要な添付書類を用意する
③ ①、②を管轄の労働基準監督署に提出
労働者の休業日数が4日以上、または死亡の場合は、災害発生後に速やかに提出しなければなりません。労働者の休業日数が3日以内ならば、以下の期限までに提出しましょう。
【3日以内の休業 提出期限】
1月~3月発生分→4月末まで
4月~6月発生分→7月末まで
7月~9月発生分は10月末まで
10月~12月発生分は1月末まで
また、必ず再発防止策の検討・実施を行いましょう。
業務による怪我で休業中の従業員の解雇について
業務中の怪我のため休業している従業員については、法律により休業中とその後30日間は、解雇が原則として禁止されています。
こんな時は、弁護士へ
下記の場合は、速やかに弁護士に相談しましょう。
従業員が会社への損害賠償を検討しているとき
スポット社労士くんは、中小・スタートアップ企業様からのご相談に合わせて、人事労務のお悩み解決や労働環境の改善をお手伝いしております。
裁判一般については弁護士にご相談ください。
第三者行為による労働災害
例えば、「車で通勤中の従業員が、見知らぬ第三者から衝突された」場合には、従業員(被害者)と相手(加害者)の話し合いが必要です。企業様のご相談を主とするスポット社労士くんでは、お受けいたしかねます。
スポット社労士くんの申請代行サービスと料金
そもそも、以上の補償は労災保険に加入しないと受給することができません。原則として1人以上の労働者を使用する事業所はすべて労災保険に加入しなければなりません。
週20時間以上勤務する労働者を使用する事業所は、雇用保険にも加入する必要があります。
スポット社労士くんでは、労働保険(労災保険+雇用保険、いずれかのみも同価格)の加入手続きを29,700円~承っております。
顧問契約を結ばない「スポット対応」のため、他社と比較して破格なお値段で承ります。
また、万が一怪我や病気が発生してしまった場合にも、ぜひご相談ください。(値段は全て税込)
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労働者が労働・通勤が原因で療養する時の給付の申請 →1万1千円/回
- 労働者が労働・通勤が原因で4日以上休業する時の支給の申請→3万3千円/初回、2万2千円/2回目以降
- 事業所で労働者が病気や怪我、死亡で休業したときの報告 →1万1千円/回
まとめ
本記事では、業務・通勤中に発生した怪我や病気の治療代等のための「労災保険」について、補償内容や申請方法について解説しました。
さらに知りたい点・ご不明な点等がありましたら、下記までお気軽にお問合せください。
【受付】平日10:00~19:00
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※ご相談内容によっては、有料の労務相談に切り替える場合がございます。
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