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介護休業給付金とは?― 家族の介護で休業する人を経済的に支援する制度

育児・介護休業法 に基づき、労働者が「介護休業」を取得した場合に、賃金の一部を補填するために支給されるのが介護休業給付金です。
目的は、要介護家族のケアと雇用の継続を両立しやすくすることで、介護離職の防止や就労継続を支援することにあります。
誰が対象?受給要件(申請条件)
介護休業給付金を受け取るためには、以下の要件を満たす必要があります。
対象となる介護休業
- 休業の対象は、要介護状態にある家族。具体的には「負傷・疾病・身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事など日常生活の便宜を供与すること)が必要な状態」 ‒ という要件を満たすこと。
- 介護対象家族の範囲は、配偶者、父母(養父母含む)、子(養子含む)、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫など。
- 休業期間は、対象家族1人につき 通算93日まで、利用回数は 3回まで。
雇用保険の加入状況など
被保険者であること(短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者は除く)こと。
介護休業開始日前2年間に、「賃金支払基礎日数が11日以上の月(完全月)」または「賃金支払いの基礎となった時間数が一定水準(例:80時間以上)の月」が12か月以上あること。
いくらもらえる?支給額の計算方法と目安
給付金の金額は以下のように算定されます。
支給金額の基本計算式
- 給付額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
- 休業開始時賃金日額 = 介護休業開始前6か月間の総支給額(賞与を除く) ÷ 180日 で算定。
- 支給日数:通常は30日(支給単位期間)として計算。
- 給付率は 67%。
給付金の目安
月給ベースで仮に月額15万円だった場合 → 給付金はおおよそ 月額10万円程度。
月給20万円であれば → 約 13.4万円程度。
月給30万円なら → 約 20.1万円程度。
ただし、給付額には「上限」があります。給付日額には上限が設けられており、高給与の場合は上限日額×支給日数×67%で計算される点に注意が必要です。
また、休業期間中に企業から給与(または賃金)が支払われる場合、その賃金額と給付金額が調整される可能性があります。
申請の流れと必要資料
以下は、介護休業給付金の申請から支給までの一般的な流れです。
手続きの流れ
1.介護休業の申し出
休業を取得する際、休業の対象家族、休業開始日・終了日などを明らかにして、事業主に書面等で申し出る。
2.介護休業の取得
実際に休業を開始。会社は原則として給与支払い義務はない(無給となる場合が多い)。
3.介護休業終了後、申請準備
休業終了後、書類を揃えて申請する。休業中の申請ではなく、「介護休業終了後」に申請。
4.事業主から管轄のハローワーク(公共職業安定所)に申請
原則、事業主を通じて申請。ただし、被保険者本人が希望すれば本人申請も可能。
5.支給決定 → 銀行口座に振り込み
申請が受理され審査を通れば「支給決定通知書」が交付され、その後、指定口座に給付金が振り込まれる。通常、決定後約1週間ほど。
必要書類の一覧
主な提出書類・添付資料は以下の通りです。
- 申請書
「介護休業給付金支給申請書」 - 賃金証明
「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」および 賃金台帳・出勤簿等、過去の賃金支払い状況が確認できる書類 - 休業申出書の写し
被保険者が事業主に提出した「介護休業申出書」 - 介護対象家族の証明書
住民票、戸籍抄本など、 対象家族の氏名・生年月日・続柄を確認できる公的書類 - 就労実績・休業実績を示す資料
休業期間や就労日数・休業日数などがわかる、タイムカードや出勤簿など
申請にはマイナンバーの記入が必要となります。
利用時の注意点・落とし穴
介護休業給付金を申請・受給するときに、よくある注意点は以下の通りです。
- 休業中に賃金が支払われる場合:給付金は減額される可能性が高い。給付と賃金の合計で、休業前賃金を超えないよう調整される。
- 休業申出は事前に、かつ書面で:休業開始予定日の2週間前までに書面で通知することが原則とされている。
- 申請のタイミングに注意:介護休業終了後、支給申請書などを揃えて 翌日から起算して2か月以内 に申請する必要がある。期限を過ぎると給付を受けられない。
- 支給対象期間の上限:家族1人につき通算93日、利用回数3回まで。対象者の重複や延長には注意。
- 高賃金者は上限額により給付が抑えられる可能性:休業開始時賃金日額に上限があるため、給付金が「休業前賃金の67%」とならない場合がある。
こんな人におすすめ ― 介護休業給付金を活用すべき場面
- 高齢の親や配偶者が要介護状態になり、しばらくまとまった時間を介護にあてたい
- 介護のために離職せずに雇用を継続したいが、無給での休業は厳しい
- 介護と仕事の両立に不安があるが、経済的な土台を確保したい
この制度は、在職のまま介護に専念できるよう設計されており、離職せずに「介護+働き続ける」を選びたい人にとって重要なセーフティネットとなり得ます。
まとめ:介護休業給付金は「介護と雇用の両立」を支える社会保険制度
介護休業給付金は、要介護家族のケアのために休業する被保険者に対し、賃金の一部を補填することで、「介護と雇用の両立」を後押しする制度です。
- 介護対象家族の範囲や休業の条件、雇用保険の加入状況など厳格な要件がある。
- 給付額は「休業開始時賃金の約67%」が基本。ただし上限や賃金支払いの有無で変動あり。
- 申請は介護休業終了後に、書類を整えて管轄のハローワークに提出。原則事業主経由だが、本人申請も可能。
- 期限や書類の不備、賃金支払いの有無など、注意点や制限があるため、事前準備と確認が重要。
- 介護が必要な家族を抱えながら仕事を辞めたくない、でも経済的な不安を抱えたくない――そのような人にとって、この制度は有力な選択肢となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのような家族を介護する場合に給付金の対象になりますか?
→ 配偶者(事実婚を含む)、父母(養父母含む)、子(養子含む)、配偶者の親、祖父母、兄弟姉妹、孫などが対象です。要介護状態で、2週間以上常時介護が必要な状態である必要があります。
Q2. 休業期間はどれくらいまで取得できますか?
→ 対象家族1人につき通算93日まで、利用回数は3回まで取得できます。
Q3. 給付金はどのくらいもらえますか?
→ 給付額は「休業開始前6か月の賃金 ÷ 180 × 休業日数 × 67%」で算定されます。月給30万円の人が30日間休業した場合、約20.1万円の給付が見込まれます(ただし上限あり)。
Q4. 申請は誰が行うのですか?
→ 原則は事業主を通じて申請します。ただし、被保険者本人が希望する場合は本人が申請することも可能です。
Q5. 休業中に会社から給与が出た場合はどうなりますか?
→ 休業中に賃金が支給された場合、給付金の額は調整され、賃金と給付金の合計額が休業前賃金を上回らないような仕組みとなります。




